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北の空と南の空、東西と左右の関係性

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  北に向かって夜空を眺めると、そこには北斗七星があります。北斗七星、北極星の周りを回る星並び。古代中国では、天の北極は聖域であり、その周りを回る北斗七星もまた、信仰の対象でした。    北極星を中心として巡る天空は、東(右)から昇り、西(左)へと沈んでいきます。左回りです。これが天の左旋。北の空に向うと正面は北、黄道は背後にあって見えません。頭上を越えた先が南です。北の空の黄道は、地下に沈んで見えません。が、この黄道上を、太陽は、西から東(左から右)と 1 年かけて移動していきます。つまり、右回りに動いていく。   仰向けになって天空を見上げると(この時、足を北に、頭を南にして)、頭上を越えた南の空にある黄道も眺めることができますが、太陽は、黄道上をやはり西から東(左から右、右回り)に移動していきます。黄道の中心は、北極星ではなく、北の黄道極、りゅう座の首のあたりです。   この話を書くと、「逆じゃないですか?」と突っ込まれることがありますが、実際に北の空を眺めてみてください。まずは立って。正面は北、東は右、西は左です。その状態で、天空はどちらに巡っていくでしょうか。 黄道を確認したいなら、南の空に向えばいいじゃないか、という人もいます。では、南の空に向って立ってください。南の空に向えば、正面が南、東は左で、西は右になります。背後が北。頭上を越えた向こう側が北です。そして、天空は、東(左)から昇り、西(右)へと沈んでいきます。右回りです、北の空に向った時と、反対になるのです。 足を南に向け、頭を北にして仰向けになると、北極星と北斗七星が見えます。左が東で、右が西です。天空は東(左)から西(右)へと巡っていますので、右回りです。そして黄道上を太陽が、西(右)から東(左)へと動いていきます。左周りですので、北に向かった時と、逆の巡りになります。仰向けになって天空を見上げれば、黄道の中心は北の黄道極です。    では、南に向かって立った時、(つまり北は背後にあって見えない)、黄道の中心はどこになるでしょうか。それは天の南極です。足の下にあって見えませんが、南に向かった時の黄道の中心は南の黄道極になるのです。そして、南に向かって立った時の状態が、ホロスコープに描かれた天空の状態に近いと考えてください。...

星辰が司るもの、天象の記録 

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   太陽、月、惑星は星辰の神となります。その動きは、地上にもたらされる出来事の予兆(オーメン)でした。天象と、実際に地上で起こった出来事を関連付けながら占星術が発達していくのですが、ただし、すべての天象が具体的な事象に紐づけされたわけではありません。「このような予兆に違いない」という恐れや期待も入り混じりながら、占星術の解釈が行われていくようになります。  太陽と月に関しては、以下のいずれの神話でも神格化されていますが、惑星に関しては、必ずしも神格化されていないこともあります。  エジプト神話において神聖視されたのは太陽と月ですが、他の惑星については、注目されていません。のちにトート神が水星と関連付けられたのは、トート神がメルクリウス神と同視された結果です。 ゲルマン神話においては、太陽、月は神格化されてはいますが、他の惑星には関心がなかったようです。のちにフレイヤが金星と関連付けられたのは美の女神であることから、オーディン神が水星と関連付けられたのは、オーディン神が知恵を司り、メルクリウス神と同視された結果です。  太陽、月以外の惑星神がすべて登場する神話は、バビロニア神話、ギリシャローマ神話、そしてヒンドゥ神話です。 太陽 光をもたらす支配神 バビロニア神話において    ウトゥ、シャマシュ(古くは女性神、のちに男性神) エジプト神話において     ラー、アテン、ホルス(男性神)  ギリシャローマ神話において  アポロン(ヘリオス) ソルのちにミトラスと習合(男性神) ゲルマン神話において     ソール(女性神) 闇の狼フェンリルに追いかけられる ヒンドゥ神話において     スーリヤ(男性神) 3つの眼に4本の手   月 豊穣をもたらす神 バビロニア神話において     シン(男神)欠けても満ちることから豊穣神 エジプト神話において      コンス(男神)月の船に乗って移動する ギリシャローマ神話において   アルテミス(セレネ) ルナ(ダイアナ)、ヘカテ(女神) ゲルマン神話において      マーニ(男神)闇の狼フェンリルに追いかけられる ヒンドゥ神話において      ソーマ、チャンドラ(男神)27人の妻を持つ   水星 知恵を司る神(移動する伝令神、明け方と夕方に姿を見せる) バビロニア神話において ...

恒星と星群(アステリウム)が描く星空

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   古代の 人々は目立つ恒星、あるいは特徴的な星群(アステリウム)に名前を付け、天空の目印としました。 オリオン座は、その特徴的な星並びから、巨人の姿を連想させます。ギリシャ神話では、狩人オリオンです。 その近くにあるのは牡牛座で、アルデバランを含むヒアデスの星並びを、牡牛の顔に見立てています。星座に描かれているオリオン座の姿は、おうしに向って棍棒をふりあげているように見えます。が、ギリシャ神話には、オリオンが牡牛(ゼウスの化身)に向かって棍棒を振り上げた話は見当たりません。 オリオン座の原型は、紀元前 3000 年頃の都市国家ウルクにおいて語り伝えられた英雄ギルガメッシュの姿です。ギルガメッシュは天の牡牛(グガランナ)を退治します。つまり、オリオン座はギルガメッシュの姿であり、ギルガメッシュが退治した天の牡牛(グガランア)が現在のおうし座です。 現在、伝えられている星座は、ギリシャ神話に関連しているものが多いのですが、そこにはさらにギリシャ神話以前からの言い伝えが含まれていることがあります。 太陽が沈むと輝く 恒星。太陽は1年かけて恒星の中を巡っていきますので、恒星の出没は季節を知らせる暦でもありました。  蠍座のアンタレスは、その赤い輝きから、古代中国では大火と呼ばれていました。紀元前 2000 年の中国では、この大火(アンタレス)が日没後の南の空に輝くと、ほどなく夏至がやってくるとされました。 紀元前 2500 年頃、ギザのクフ王のピラミッドが作られた時代ですが、人々は、シリウスが日の出前に東の空に昇ると、ナイル川の洪水がやってくることを知ります。またこれにより、シリウスはナイル川の洪水と豊穣を告げる星になります。 現在のうみへび座は、 古代メソポタミア(バビロニア)の夜空にもすでに描かれており、うみへびの背中にライオンが乗っていました。現在の獅子座です。紀元前 2000 年頃の古代メソポタミアにおいて、レグルス(αしし)のあたりに太陽がやってくると夏至になり、地上には強い日差しが降り注ぎました。 スピカは、古代メソポタミアにおいて、麦の収穫時期を告げる星であったようです。そこからスピカは麦の穂をあらわす恒星となります。が、古代メソポタミアの夜空に、女神の姿は描かれていませんでした。 古代ギリシャの詩人、ヘーシオドス(紀元前 800 ...

占星術の基本、天と地の照応論(コレスポンデンス)

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   占星術とは、天に起こることがいずれ地に起こる、という考え方のもとになりたちます。    太陽が昇れば地上は明るくなり、人々が活動を始める。太陽が沈めばあたりは闇に包まれて夜になり、人々は眠りにつく。  月の満ち欠けは、潮の満ち干を発生させる。そして海の生物は、大潮になる新月と満月に新たな生命を誕生させる。   太陽は地上に光をもたらす。     A(太陽)=B(光) 光は人々を目覚めさせ、活動させる。 B(光)=C(人々の活動) ゆえに、太陽は人々を活動させる。  ∴A(太陽)=C(人々の活動)   月の満ち欠けが潮の満ち干を起こす。 A(月の満ち欠け)=B(潮の満ち干) 潮の満ち干が魚の産卵を促す     B(潮の満ち干)=C(産卵出産) ゆえに、月の満ち欠けは産卵を促す。 ∴A(月の満ち欠け)=C(産卵出産)  人は天象に畏敬の念を抱きます。ドイツの宗教学者であるルドルフ・オットーがいうところの  ヌミノーゼ( Numinose )です。ヌミノーゼとはヌーメン的なものに対する意識であり、ヌーメンとは神の意思。が、ここでいう神とは人知をはるかに超えたもの、つまり天象です。太陽が昇り、地上を照らし、季節が廻り、月が満ち欠けして地上の水が満ち干する。それこそがヌーメン(人知を超えた意思によって引き起こされていること)です。  実際、昇ってくる太陽を眺めながら、新たな1日がはじまることに感謝の気持ちがわきあがってくる人もいるでしょう。  昇る太陽の光を浴びると、人の意識は覚醒します。なぜか。太陽と地上との関係性による昼夜のサイクルは実際に地上の生命に大きな影響を与えているのです。  それがサーカディアンリズム(概日リズム)であり、 24 時間サイクルで体温やホルモン分泌、睡眠と覚醒のサイクルが機能します。これは、当然ながら人間の生命が地上で発生し、太陽の光の下で育まれてきているためです。その 24 時間サイクルは、昇る太陽の光(実際には覚醒後にあびる太陽の光)によってリセットされることも知られています。睡眠のサイクルが乱れることでホルモン分泌が乱れ、精神的な問題(鬱など)を引き起すことがあるとされ、その反対に、サーカディアンリズムをリセットし、生体リズムを改選することができるなら、心の状態もまた改善されるであろうというこ...

天の周期、月の暦の1か月、太陽の1年

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    時は天体の動きから生まれました。 太陽が地上を一巡りする 1 日。地上からの太陽の位置によって、 1 日の時が決まります。  太陽が東から昇る朝。東はラテン語で「オリエンス( Oriens )」、これは「日の昇ってくる方角」という意味。 太陽が最も高く昇り南中する昼、正午。ラテン語で南は「メリデイウム( meridiem )」、これはラテン語の「 medius (中央)」からきている言葉。太陽が昼の中央にある、という意味です。 (注・黄道の南中点は、メディウム・コエリ Medium Coeli 、天の中央) 西は occidens オッキデンス 、これは ( 天体が ) 沈むという意味で、太陽が沈む方角であることから。 太陽が地下に沈み、星が輝く時間が夜で、太陽は、北の地下にあります。 (注・イームム・コエリー  Imum coeli 、黄道の北中は、天の底という意味です。) ラテン語で北は、 SeptemTriones セプテントリオネス、これは北斗 七星のこと。 Septem は7, Triones は犂を牽く農耕牛。天の北極の周りを7つの星並びが回っていく様子を、7頭の農耕牛にたとえました。   朝から新たな1日が始まる、という気分になる人たちも多いのですが、現代では、真夜中の 0 時が 1 日の区切りであり、日付が変更されます。 1 日の区切りは、民族文化、時代によって異なります。 天文学では、太陽が南中する正午が 1 日のはじまり。古い時代のエフェメリスには 12 時の恒星時が記されていました。これは、正午が天文学の 1 日の始まりであったため。(注・時刻不明を計算しやすくするために 12 時の恒星時が記載されていたわけではありません。 12 時の月の位置については、時刻不明の場合に役立つことがあるのでしょうが。) ユダヤ民族、及びキリスト教徒において 1 日の始まりは日没です。太陽が沈んで 1 日が終わる。終わるということはその直後に新たな始まりがやってくることですので、日没後に新たな 1 日が始まります。ですから、クリスマスのミサは、 24 日の日没後に行います。クリスマスイブですが、それはすでにクリスマスの1日の始まりでもあります。  そして月の満ち欠け...